忍者ブログ
[76]  [75]  [74]  [73]  [71]  [70]  [69]  [68]  [66]  [65]  [64
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

このまま海の藻屑になろう、このゴミ(一人称)は……と思っていた時、中学時の同級生のNさんからの暖かなメールがあって、それが私の目を覚まさせました。当時の私は鬱々と図書館の小説を読んで文句を言日々…違うだろ、そうじゃないだろ、小説?そんなもんお前の読むものじゃない…お前にはもっとふさわしい読み物がある…そう…思い出したか?――そうだ…我々には大説がある。

そういうことでご期待にこたえて読んだよ!! 私信ですみません!
中学生時以来、はるかなるときを隔ててR言語を目にしました。あいかわらずの尊き言語よ!意味がわからぬこと、冗長なこと、センスがわるいことをのぞけば欠点がありません!奇跡的な言語です。
ミステリシーンに甚大な影響を与えた大・流水神の著作の数々は今日もかわらず眩しい…!気のせいか眩しさを増したようにすら思う…!

ご存知ない方に新本格世代の婆が簡単に紹介しますが、清涼院流水大先生とは、『コズミック』というはやすぎたやんちゃをひっさげて登場した瞬間、「講談社・編集部が完全に発狂した」あるいは「日本国民全員の命を人質にとられてやむなく講談社は出版を許した」という印象を全読者に与えた大作家です。
当時の推理小説ファンの精神の枠を破壊した存在、HAKAISYAといえるでしょう。なんとなく「もしかしたら、ミステリーって…もっとずっといろいろなことがアリ…なんじゃ…?」という意識がじょじょにひろがっていたメフィスト時代独特の空気の中でさえあっても、超異端の存在。見たら狂うと言われていた存在です。
今でこそ「きゃあトンデモね!」「キャラが濃いなぁ」と笑っていえるようなものですが、当時の重苦しいタブー感たるや。われわれもつとめて「アレ」などと隠語を用いて、呪い度MAX=決して「本当の名前をよんではならないもの」としてあつかったほどです。「アレ、よんだか?」「アレ、様子がおかしくはないか?」と言葉すくなに感想を交えた日々…私はこの『コズミック』という本を購入してしまったという事実が耐え難いほどに恥ずかしく、聞かれもしないのに家人に「人に借りたの」と触れ回っていたほどです。
(*ちなみに同じく私がたいへん尊敬する許斐大先生がデビューしたのもこのへんの年で、確か『コズミック』が出た頃ジャンプ誌上では『COOL』がやっていて、その上同年『遊戯王』がはじまってどこもかしこも異形の才能にひしめく90年代中盤でした)

清涼院流水が書いているものは小説ではなく「流水大説」で日本語そのほかいっさいの言語とも異なる「R言語」で書かれているのだ気付いたときにはねえ!目からうろこでしたよねえ!Nさん!

とりあえず去年読んだものの概要をたたんで「続きを読む」に置いておくんでもしまだここを読んでいたら景気付けにどうぞ。流水はまだまだ元気です。私もまた純粋な女子中学生時代のように元気に「こんなもんはメフィスト賞だ!」とか「こんなことしてたらジョーカーで撲殺されちゃうね」という類の粋なジョークを飛ばして生きたい所存です。
情熱が勢いあまってこのような長文をアップロードし、私自信が大説になりかかったことをお詫びいたします。


・彩紋家事件
「コズミック」「カーニヴァル」あたりJDCものを読み込んで我々にふさわしい物語。時系列的にはさらに前の事件なんですがものすごい。後半のものすごさはまさにものすごく(こうとしかいえないの、わかってくれるよね!)歴史的人物が登場したりなんだりかんだり、なによりタイトルをひっかけたトリックがむにゃむにゃで(こうとしかいえないのわかってくれるよね!)R言語炸裂の1冊でした。注意としては上巻が普通で「もしかして、流水…日本語で小説を書くようになったんじゃ…後半、普通に謎が解かれるんじゃ…?」と不安で全身から冷や汗が出続けましたが安心!後半で爆発!この本を燃やせ!!といつもの気持ちになれますから!

・ユウ 日本国民全員参加テレビ新企画
じゃんけん大会系の小説ですがまあそうかな、というかんじの本で薄いです。

・秘密屋 白
・秘密屋 赤
どちらも流水としてはひどくまともな話のように見えたのですが最後の数枚のR言語ぶりはすごい。その瞬間、この小説は小説ではなく大説へ鮮やかに姿を変えた。コーラ、ミニチュア、この言葉を合言葉に今度同窓会をしましょう。コーラ、ミニチュア。

・キャラねっと 愛$探偵の事件簿
意外にもこれが一番まとも。オンラインゲーム上での殺人という設定の話なので、既に「異世界」での推理ものという前提がしっかりたちすぎてなー。なんでもありな舞台設定になっちゃっているので、お得意の異常性が抑えられることになり、結果濃すぎるキャラも「ありなのかな?」という消化不良な結末に。流水には申し訳ないが、こんなもんは小説だよ、小説。流水の小説ならそれで誰かを殺せるような内容的厚みを持たせろ!(これはあの事件とかけた冗談だよ!)

全体的に面白いものもあればつまらなく、まったく小説としかいえないようなものもまざっていましたが、すべて間違ってもこのミステリがおもしろい!や書店員が選ぶベストテンなどに入りそうにもないクオリティを保っています。その点に関しては保障するよ!それとやっぱり私は流水が大好きだよ!これも保障するよ!

 

PR
カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]